「気づけば涙が出ていました」大切にしたい記憶がよみがえる撮影の一日 〜時を刻む ふたりの物語〜

「気づけば涙が出ていました」

撮影後、出来上がった写真のスライドショーを見ながら、目頭を押さえた新婦さま。

初めて一緒に過ごした週末、夕暮れ時に空を見上げながら感じた、彼といる安心感。写真からあの日の記憶がよみがえり、これから歩むふたりの人生に思いを馳せ涙があふれ出ました。

結婚生活が始まったばかりの1組のご夫婦に、「ふたりのポートレート」の撮影体験と写真への思いを伺いました。


青空さん(会社員)
怜子さん(会社員)

会社の同期として出会ったおふたり。2024年10月「ふたりのポートレート」撮影。2025年3月挙式。週末は、サイクリングをしたり公園でのんびり過ごすことが好き。


ずっと一緒にいたいと思った 初めての散歩道

ーー2025年3月に挙式を行い、結婚生活がスタートしたばかりですね。改めておめでとうございます。おふたりは同じ会社で働く同期として出会ったそうですね。


青空さん:そうですね。勤務地が全国に渡る会社に入社し、僕と怜子は、本社に配属されて。同期が少ない勤務地でのスタートでした。研修で、本社勤務よろしくねと挨拶をするために彼女のもとに行ったのが、初めての会話でした。


怜子さん:本社には同期が少なくて孤独な気持ちもあったので、声をかけてくれてほっとしました。インスタのアカウントをそれぞれフォローしあって、ふたりのやり取りが始まりました。彼は、大学時代は京都で過ごしたので、インスタは京都の写真でいっぱいでした。実は私、これまで20回以上旅行をするほど京都が好きで。メッセージを送り合って、京都について会話をすることが増えていきました。せっかくだから会って話そうとなり、会社帰りにお茶に誘ったんです。


青空さん:でも、その日はとても疲れていたよね…。


怜子さん:入社したばかりの4月で、慣れないことが多くて。自分から誘っておきながら、早く帰りたいと思うくらいげっそりしていました。


青空さん:改めて休日にランチに誘ってみたんです。休日の怜子は晴れやかな顔でほっとしました。僕がしょうもないことを言っても、たくさん笑ってくれて。いいなって思いました。


怜子さん:2時間のランチの中で、これまであまり人には話さなかったような話までしていました。自分の家族の話、友人や大切な人の話まで。なぜか心を許せて、何でも話せるような気持ちになったんですよね。

ーー最初からそんな気持ちになれたのはすごいですね。


怜子さん:本当に。不思議ですが、安心して話せたんですよね。ランチの後、何となく話し足りないなと思って、ふたりで散歩をしました。あの日は新緑が気持ちいい初夏の頃で、神楽坂から九段下、皇居までぶらぶらと取り留めのない話をしながら。歩き疲れた私たちは皇居の芝生に座って、夕日がきれいな空をただただぼーっと眺めていました。

ーー長年連れ添った夫婦みたいですね。


怜子さん:今思えばそうですね。とても心地よい時間でした。気心知れた長い付き合いの友人とだったら何もしゃべらないでぼーっとすることもできますが、まだ出会って間もないのに。この日彼の隣で、ふと思ったんですよね。私、この人とずっと一緒にいるだろうなって。

ーーなんだか素敵です。運命的な出会いのような。


怜子さん:大げさですが、そう思ったんですよね。帰宅して母にも言ったんです。私、彼と結婚すると思うって。母はびっくりして、ちょっと引いてました(笑)その後は、自分の気持ちが本当なのかを確かめるために、毎週末彼を連れ出しました。公園に行ったり、友人の誕生日プレゼントを選ぶのにつきあってもらったり。毎回お誘いのメッセージを送ると、「その日空いてるで!」とすぐに返事をくれて。

ーーお誘いが来た時、どんな気持ちだったんですか?


青空さん:やった!って。


怜子さん:1週間の出来事を私がつらつらと話して、彼が優しく笑ってくれる週末の時間は、慣れない社会人生活を支えてくれました。夕日を眺めた最初のランチの日からちょうど3年後に入籍しました。

 

感情まで伝わってくる写真に魅かれて

ーークッポグラフィーで結婚式の前撮りをしようと思ったのは、何かきっかけがあったのですか?


怜子さん:写真に関して専門的な知識はないのですが、日常でカメラを持ち歩いたり、写真を楽しんでいます。インスタでウェディングフォトを見ることも好きだったのでよく見ていたのですが、これはすごいなと思う写真を見つけると、そこには「#クッポグラフィー」の文字がありました。特に結婚式の写真は、新郎新婦の周りにいる家族や友人たちの気持ちまで伝わってくるような写真があったり。全く関係がない他人の私が見ても、そこにいる人たちの感情まで伝わってくるような写真を見ながら、いつか私もクッポグラフィーで写真を撮りたいという思いが募っていきました。

ーーありがとうございます。嬉しいです。撮影日まではどのような気持ちで過ごしましたか?


青空さん:ワクワクしていたよね。


怜子さん:そう、ワクワク。事前にスタジオに伺って、試着をしたりヘアメイクの打ち合わせをすることができたので不安もなく、楽しみな気持ちだけで当日を迎えることができました。


青空さん:特に、お花が楽しみだったよね。どんなお花になるんだろうって、ふたりで話していました。


怜子さん:自分たちをイメージして花束をつくっていただくことなんて初めてだったので、とても楽しみにしていました。

ーー実際に見ていかがでしたか?


青空さん:いや、すごいなと。まず驚きました。


怜子さん:芸術的で素敵でした。私たちはこんなイメージなんだって、嬉しくなりました。

 

(写真)初めて見る色づかいの花束で感動したと話す青空さん。怜子さんはこの日以来、定期的にフローリストのインスタを見て楽しんでいるそう。

 
 

愛情が深まってゆく一日 お互いのことを思い合える撮影体験

ーー撮影の当日はいかがでしたか?


青空さん:支度のときからリラックスできて。ヘアメイクアーティストの塚田さんとは試着のときもお会いしていたので、初めましてではなかったのも大きかったですね。プロの方にヘアセットをしていただく機会はあまりないので、きれいにしていただいて気持ちが高まっていきました。


怜子さん:支度をしながら、塚田さんはふたりの出会いやこれまでのことなど、色々と聞いてくださって。ふたりで振り返りながら、笑いが絶えない楽しい時間になりました。途中、フォトグラファーの大村さんもご挨拶に来てくださって。150%の笑顔でこんにちはー!って。


青空さん:初対面でしたが、その人柄のおかげで肩の力が抜けました。


怜子さん:大村さんの笑顔を見て、この人に任せれば今日は大丈夫だと思いました。

 

(写真)おふたりが選んだ撮影スペース「less is more」温もりを感じられる空間が自分たちの関係性にも通ずると思い、ここで撮影することを決めたそう。

 

ーー45分の撮影の時間は、短いような長いような。


青空さん:あっという間の時間でしたね。大村さんと会話をしながら、気恥ずかしさもあって終始笑っていました。

ーーどんな話をされたのですか?


青空さん:お互いの好きなところや、日常のふたりの過ごし方など、撮影をしながらたくさん話しました。忙しい日々を送る中で、立ち止まって、相手のことやふたりのこれからのことに思いを寄せる時間にもなって。やっぱり彼女のことが好きだなと。僕が大事にしている、いつもの怜子のリラックスした表情も写真の中にあって。これからも変わらず、彼女の自然体を大切にしながら一緒に暮らしていきたいという気持ちも芽生えて、愛情が深まっていきました。

 

(写真)照れる青空さんをちゃかす怜子さん。いつものふたりの日常が写し出されているこの1枚は、青空さんのお気に入りだそう。

(写真)大村のアドバイスのもと撮影した1枚。どんな写真になるのか想像ができず、出来上がりを待つ時間も楽しかったと話す。

 
 

一緒に過ごした3年間が走馬灯のように浮かんだ 涙が溢れたスライドショー


ーー出来上がった写真をスライドショーで見た時、怜子さんは涙を流されていたと伺いました。どんなお気持ちだったのでしょうか。


怜子さん:気づいたら涙が出ていたんですよね。最初のランチで出かけた日からこれまでのことまで、色々と思い出しました。たぶん私はこの人と結婚するだろうなと思ったときのことも…。3年ほど一緒に過ごしてきましたが、山あり谷ありの日々だったので、一つの節目まで来られてよかったなって。ここからまた新しい人生がスタートする、ふたりの未来にも思いを馳せる時間になって、感情があふれ出てしまいました。

ーーこれからのことにも思いを寄せる時間になったんですね。


怜子さん:はい。特に最後、この写真が写し出されたときには、涙が出てきて。

 
 

怜子さん:彼の手に包まれている私の顔は、安心感でいっぱいのリラックスした表情でした。自分を客観的に見る機会はあまりないですが、この写真を見て、「あぁ、私は彼がそばにいてくれるとこんな表情ができるんだ」と、ぐっときてしまって。


青空さん:スライドショーが終わった後、僕といる安心感を写真で表現してくださったことへの感謝の気持ちを怜子が皆さんに話していて。僕はその言葉に胸を打たれました。僕たちが今大切にしていることを写真で残すことができて、この先また見返したときにどんな気持ちになるのかも楽しみです。


怜子さん:結婚ってゴールではなく始まりなんだなと、改めて考える時間になりました。楽しいことばかりではなく苦しいことがあったとしても、ふたりで支え合って乗り越えていかなければならないですよね。今後、壁にぶつかったときにも、この写真を見返すことで気持ちを持ち直せるような。私たちにとって、始まりの頃に立ち戻ることができる、拠りどころとなってくれる写真ができました。写真も撮影の思い出も、すべて大切にしていきたいです。

取材・文 石垣藍子